―トラキア王国のリュシマコス―


マケドニアのペラで生まれたリュシマコスはアレクサンドロス大王の親衛隊に属し大王のボディーガード役でした。大王の死後トラキアの統治を任され、他の有力武将と並んで大王の遺領を継ぐ後継者となりました。そして305B.C.には、他の後継者と同様に王の称号を宣言しました。302/1B.C.にはセレウコス1世と共同しイプソスの戦いでアンティゴノスを敗り小アジアまで支配地を拡げました。しかし後継者問題?で息子のアガトクレスは処刑され、その妻と子はセレウコス家に逃れました。そして281B.Cのコリュペディオンの戦いでセレウコス1世により敗死させられ、彼の王統は跡絶えてしまいました。リュシマコスの発行したコインは最初はアレクサンダータイプでしたが、後に有名なアレクサンドロス大王の肖像を入れたコインを発行しました。(自身の肖像を入れたものは無いようです)

リュシマコス関連のマップ

アレクサンドロス大王ほどのバリエーションはありませんが、それでもリュシマコスのコインは各地で作られ、それぞれ特徴があります。 またアートレベルの高いものが多いのも特徴です。 そしてリュシマコスの死後も、トラキア付近では後代までリュシマコスタイプのコインを、貿易銀として作り続けました。


リュシマコス・テトラドラクマ銀貨のバリエーション

アンフィポリス ミント


アンフィポリス?エフェソス?ミント
 多分、アンフィポリスと思われるものです。
(もしくはエフェソス)


ヘラクレイア ミント


カルケドン ミント


キオス ミント


ランプサコス ミント


ペルガモン ミント
ペルガモンは有名な表面ミントマークKの鋳造地です。同じ Kのミントマークのものでもいくつかのバリエーションがあります。
なお、ペルガモンの周辺で作られたものはアートレベルの高いものが多いようです。


キメ? ミント
 多分、キメで作られたと思うこのコインは(裏面のアテナが
 肘をつく)盾のオーナメントとして入っているべきライオンが
 入っていません。
 またアートレベルも大変高く、珍しいタイプです。


スミルナ ミント
 スミルナでつくられたものもアートレベルの高い
 ものが多いようです。


マグネシア ミント


不明ミント


その他のコイン
リュシマコス AE17 銅貨



リュシマコスのミント(鋳造地)はカタログが未入手なので、従来のオークションカタログなどを元に類推したものです。間違いがありましたら、どうぞご指摘下さい。





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