―コインの上の精霊達―


古代ギリシャには色々な精霊達が住んでいました。 山や川、森や泉に住み歌い踊り暮した神々の娘ニンフ、野山や森の精で人間の体に山羊の下半身と角を持つサテュロスなどがいました。サテュロスは酒と女が好きでいつもニンフを追い回していました。また音楽や踊りの名手でもあったといわれています。


ニンフ・ラリッサ
  ニンフ・ラリッサ。
  法隆寺金堂の菩薩像を彷佛とさせる姿で
  東西交流の証を見る思いがします。

  テッサリー地方 ラリッサ
  ジドラクマ銀貨(表面)


  テッサリー地方 ラリッサ(表面)
  ドラクマ銀貨(表面)


法隆寺 金堂壁画(参考写真)
  六号壁部分(昭和24年焼失)

  アジャンタ石窟寺院壁画との関連はよく取り上げられて来ましたが
  大元のギリシャ側の資料はあまり知られていません。
  ギリシャ時代の絵画は彫刻以上に現存する物が少なく、ラリッサの
  コインの中にその縁(よすが)を偲ぶ他無いでしょう。




サテュロス
  野山に住む半人半獣の生き物。獣毛に覆われた男性の上半身に
  ヤギの足と尾を持ち、猿に似た顔に山羊の耳をつける。
  好色なうえ酒と悪戯が好きだった。

  ニンフをさらうサテュロス。

  マケドニア タソス島 タソス
  ステーター銀貨


  カンタロスを持つサテュロス(2種)

  マケドニア タソス島 タソス
  トリヘミオボル銀貨



パン
  丘の精。
  雄ヤギに化けた神ヘルメスとペネロペが交わって生まれた子供です。
  上半身は人間の男性で、額には二本の角が生えています。
  下半身は山羊で、そのためにサテュロスと混同されます。
  しかしパンはサテュロスのような悪漢ではなく、羊飼いとその羊たちを
  助ける牧羊神です。

  マケドニア王国
  アンティゴノス ゴナタス
  テトラドラクマ銀貨



アマゾン
  妖精ではありませんが、勇敢な女戦士として有名なアマゾン。
  弓を引く邪魔になると右の乳房を切り落としたといわれる!
  南米のアマゾンという地名は、大航海時代にスペイン人が勇猛な裸族達を
  ギリシャ神話のアマゾン族と見誤ったことからついたといわれます。

  アイオリス地方 キメ(表面)
  テトラドラクマ銀貨






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