―微の美―
もともとコイン自体がミニチュア芸術とよべるものですが、その中でもさらに微小な存在があります。小額貨幣は目にすることが比較的少ないのですが、そのうえには驚くべき技量が発揮されていて見飽きません。拡大しても破綻のないデザインは現代の工人の及ばぬところでしょう。手先の器用さは日本人の専売特許だけではないのですね。(1円玉の直径は2cmです)
拡大図
南イタリア・トゥリオイ 400-350B.C. sixth銀貨 10x12mm 1.3g
表:アッテイカ式兜を被る女神アテナ/裏:怒って前足で地面を蹴る牡牛
微小芸術の極致ともいえるサンプル、1円玉と比べるとその小ささが分かります。
南イタリア・ヘラクレイア 370-281B.C. ジオボル銀貨 11x13mm 1.1g
表:アッテイカ式兜を被る女神アテナ/裏:ライオンと格闘するヘラクレス
北ギリシャ・タソス 411-350B.C. トリヘミオボル銀貨 約12mm 0.8g
表:カンタロスを掲げるサチュロス/裏:アンフォラ
シチリア島・モーガンティーナ 460B.C.頃 リトラ銀貨 12x11mm 0.9g
表:正面向きの女神アテナ/裏:岩に座る女神ニケ(手にリース)
シチリア島・シラクサ・ヒケタス時代 288-279B.C. ドラクマ金貨 15mm 4.3g
表:女神ペルセフォン/裏:二ヶが駆るビガ(2頭だての戦車)
拡大図だけみるととても大きな金貨のように見えますが実際は指の爪くらいのサイズです。
ギリシャ・テッサリア地方・ファルサソス 450-400B.C. ヘミドラクマ銀貨 16mm 2.8g
表:アッテイカ式兜を被る女神アテナ/裏:馬の頭部
黒海北岸・ケロネッソス 400-350B.C. ヘミドラクマ銀貨 約13mm 2.4g
後ろを振り返るライオンの上半身/裏:矩形に区切られた刻印
小アジア・ミシア地方・パリオン 350-300B.C. ヘミドラクマ銀貨 約13mm 2.4g
表:後ろを振り返る牛/裏:ゴルゴンの正面向きの顔
ペロポネソス半島・アルカディア同盟 280-234B.C. トリオボル銀貨 約14mm 2.4g
表:月桂冠を被る神ゼウス/裏:岩に座るパン
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