―古代ギリシャコインとその時代―
古代ギリシャコインの範疇は、BC.7世紀頃リディア王国で(現在のトルコ南部)自国の象徴を金属塊に刻印したコインを発明した時から、最後のギリシャ人王国であるプトレマイオス朝エジプトがロ−マにより滅ぼされ、実質的に古代ギリシャ人のイニシアティブが消滅するBC.30年までの期間のものを指します。 さらにそれらをタイプ別に区分すると、おおよそ以下のようになります。
◆アルカイック期:初期古代ギリシャ期。その発生期からギリシャ人がペルシャ戦争に勝利しアテネの指導力が確定するまでの時代。 独特の古雅な味わいがあります。(口元が微笑んでいるように見えるアルカイックスマイルで有名)
◆クラシック期:古代ギリシャ盛期。ギリシャの覇権を賭けてアテネとスパルタが戦い(ペロポネソス戦争)アテネが破れるまでの時代。 完成度が高く均整がとれています。
◆ヘレニズム期:アレクサンドロス大王の遠征に始まる東方諸国(現在のトルコ、シリア、イラン、イラクあたり)のギリシャ化の時代。 有名なクレオパトラ(7世)のプトレマイオス朝エジプトが、ロ−マのアウグスツゥスにより滅ぼされるまでの時代。 芸術的には理想化よりリアリズムを追求しました。(ちなみにヘレニズムとは、ギリシャ人=Hellene, + ism で、ギリシャ主義/ギリシャ化を表わす)
古代ギリシャコインの時代区分
最初期のコイン
リディア王国
BC7世紀頃
1/3ステーターEL貨(4.7g , 11mm)
表:咆哮するライオンの頭部
裏:不定形の刻印
アルカイックタイプのコイン
アテナ
449〜413 BC
テトラドラクマ銀貨(17.2g , 25mm)
表:アッティカ式ヘルメットを被る女神アテナ
裏:フクロウとオリーブの枝
クラシックタイプのコイン
コリント
345〜307 BC
ステーター銀貨(8.6g , 19x22mm)
表:駆けるペガサス
裏:コリント式ヘルメットを被る女神アテナ
ヘレニズムタイプのコイン
マケドニアのアレクサンドロス大王
336〜323 BC(バビロン鋳)
テトラドラクマ銀貨(17.0g , 25x28mm)
表:ライオンの頭皮を被る若いヘラクレス
裏:鷲を手にし椅子に座るゼウス
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